
お疲れさまです。県央ブロックの日高国尊です。
昨年のH22年12月4日(土)に、県央ブロック主催行事 地域生活支援・ソーシャルワーク実践講座を行いました。当日は、35名の参加者がありました。
今回の内容は、社会福祉士として援助実践を行う中で、地域社会の中で問題を抱えている人々がなかなか相談してこない事態がある中で、地域における活動との連携・協働により、地域の現状を知り、より早期に相談支援に結びつける環境づくりを行うことを目指し、地域の実践的な活動から協働の在り方を考える事を目的に開催しました。 →アンケート結果はこちら
今回は、宮崎市生目台地区社会福祉協議会 会長の矢方幸子様より事例紹介を頂きました。講演の内容は、下記の通りでした。

◎生目台の地域性
・人口1万人規模。山の上に団地が造成されたので、坂の多い街である。
・店は、町の中心部に1箇所しかなく、コンビニや食堂も無い。
・新興住宅街であるので、他地区から移住してきた方がほとんんど。
・高齢化も進んできている。同じ時期に移住してきた方がほとんどなので、今後一気に高齢化が進む事が予想される。
◎生目台のまちづくり進め方
《調理ボランティアの育成》
・食堂がなく、高齢世帯や独居老人が多い現状を考え、調理ボランティアの研修会を開催した。調理に関するボランティアの専門をつくり、地域での活動の場も考えた。
●災害時に100人分くらいの防災食を作りきれる人を育成
●サロン活動などで、調理をすることが出来る人を育成
・ふれあい会食会やサロンでの活動。地区内に調理が出来る施設は、1箇所のみ。そこでまとめて食事を作り、各会場へ運ぶ。
・防災訓練の時に、防災食を作っている。作業もなれて、ほとんどボランティアで段取りできるようになった。
・毎年養成講座を行っているが、なり手が多い状況。特定の人が行うのではなく、技術を持つ住民を増やしていく事で、小地域の活動へつなげていく。
《見守りチーム》
・地区内で11チーム(1チーム8名程度。総数約100名)民生委員、福祉協力員自治会役員が構成員として活動している。
・各チームで担当地区を決めて、訪問・見守り活動を実施。毎月1回情報交換会を実施。年一回全体の情報交換会を行い、見守りの対象者の情報の更新を行う。・学生に参加してもらっている。日中に災害が起こった時に、地域内で要援護者を支援するには、学生しか居ない。いろんな活動の場面で学生に関わってもらう。大切な戦力になっている。
・75歳以上の一人暮らしの方へ。小地域に分かれて、各チームで取り組んでいる。毎年その人の誕生日には、見守り訪問を行っている。小学生の手紙と季節の果物をプレゼントしている。
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調理ボランティア、見守りボランティアを中心とした活動をベースに、見守り支援マップを作成。年度ごとで要援護者、協力者、協力医を随時更新する。
《ふれあいルームの設立》
・地域の中で住民同士が触れ合う場がない。自由に使える場がない。
・地域の子どもたちの中には学校の給食でしか、十分な栄養を摂ることが出来ない子もいる。夏休みに子どもたちが自由に使える場の必要性を感じた。顔と顔を合わせる場を作ることで、見えてくるものがある。
↓ 設立に向けて
・ふれあいのできる交流スペースについて必要か?住民にアンケート一人一人に手渡しし、説明を行った。多くの方が、必要性を感じていた。
・物件として、カリヨンプラザ(商店街)の空き店舗を検討した。家賃月14万円であったが、まちづくり公社と交渉し、(社会貢献目的なので)月7万円に下げてもらった。
・ルームの改修工事
低予算で多くの方に関わってもらえるように、地域住民に協力をお願いした。
地域には、大工や水周りの工事をする人など、特技を持っている人が沢山いる。
●畳台~製作をお父さんたちに協力依頼。多くのお父さんが集まり、話し合いながら作成した。(男性の活躍の場を作り出す)
●流し台~家を取り壊す業者の方より情報をもらい、頂いてそのまま取り付けた。
●トイレ~和式トイレであったので、市の補助事業にてバリアフリーに改修した。
●自動ドア~ドアの装置が壊れていたので、市の補助事業で修理を行った。
●空調~利用者が各自負担という事で、ワンコインで稼動するようにした。
●鍵の管理~商店街の理事長にお願いし、オープン時に鍵を開けてもらう。 最後に鍵を閉めるのは、地域のボランティアが行う。
・ふれあいルームの利用
利用方法は基本的に自由であり、自分たちで節度を持って使って頂く。使用後の清掃・片付けは確実に行って頂く。行事予定のホワイトボードがあるので、借りたい人は、各自話し合って予定を入れていくようにする。特に当番となる人がふれあいルームにつめている訳ではないので、当初は、「たまり場」になるのではないかという意見もあったが、ルールをきちんと伝えれば、こどもたちでもきちんと利用できている。
・ふれあいルームの行事
料理教室や、研修、夏休みや放課後の勉強等、様々な行事を住民主体で行っている。サロン活動では、地域包括支援センターや在宅介護支援センターと連携し、毎回10分程度、健康や福祉に関するミニ講座を開いてもらう。行事に専門職を参加して頂くことで、何かあった時の連携もスムーズにいく。サロンの場では、会話の中からいろんなニーズが出てくる。(例えば喫茶店がほしい、ヘルパーの支援がもらいたい。)サロンの場では、ボランティアが食事を作ってくれる。楽しいおしゃべりの中で、いろんなニーズを聞き出す。
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昨年の口蹄疫の影響では、公的な集会施設の使用の制限があり、防疫の観点から、各行事や会合が中止となったが、公的な施設ではないので、防疫体制をきちんとした上で、行事等も滞りなく実施できたことは大変良かった。(柔軟な運営が可能)
◎住んでよかったと言える、生目台のまちづくり
住民に主体的に地域の活動に関わって頂く為には、地域の姿をイメージすることからはじめていく。5年後~10年後にどんな地域だったら良いかを皆さんで話し合ってもらい、計画案をまとめた。→誰もがより良い地域を作れる。参画できる。
《見守りボランティア》
気付き~気付いた時に、どこにつなげばいいのか?→相談ルートの整理
福祉協力員~若い世代に協力を。→経験する事で、自分の親の介護が分かった。何かないと考えない現状。(共通理解へ)
《調理ボランティア》
毎年、養成研修を行っており、なり手は多い。特定の人だけでなく、出来るだけ横に広げていく事で、各小地域での活動が可能になる。(活動の裾の尾を広げる)
《防災の活動》
生目台はアップダウンの坂が多い地域。実際に車椅子を押して解除を行ってみると、大変さが分かる。(体験の場を増やしていく)
(指定避難所の分類化)
●一般な健康な人~体育館(要援護者の避難誘導、支援を行う)
●要援護者~交流センター(一時的な集合場所は、各地域の公民館)
●乳幼児~保育園(地域で独自で災害協力協定を結んだ)
《まちづくりを継続的に進める、大切な事》
・現在11チームの小地域に分かれて活動を行っているが、それぞれに温度差がある。全体を一律で行っていくことには無理がある。又、揃ってから動き出すでは、何も出来ない。大切なのは、無理をしない事。「出来ただけ。」
・参画を仕掛けるには、「行ってみて楽しい場を作る。」特に男性へのアプローチ。
・なかなか行事などに参加が苦手な人もいる。そんな方を無理やり引っ張り出すのではなく、在宅での生活をどう見守っていくのかを考える。
・情報発信についても、今の時代に合った方法も活用。生目台のまちづくりのブログを運営して、近況を伝えている。
・地域の多様性を受け入れる。地域で福祉を進めるのは、ゆっくりと。でもモチベーションを維持していく為に、1年ごとに取り組みを「見える化」が必要。
・「地域の誰かが、責任を持ってやり続けてなればならない。」という状況は無くし、いつでも休んでも大丈夫な環境を整備。出たり入ったりができる仕組みを作り、誰もが参画できるようにしていく。
その後、矢方会長を交えて、
「地域住民と専門職が手を携えてつくる、これからの地域づくりとは?」
というテーマにて、参加者の方々と意見交換を行いました。
・事例紹介として、北海道にて高齢化が進む地区の自治会がNPO法人を立ち上げ、住民の方が参加できる「地域食堂」を運営している取り組みを紹介しました。
・宮崎市で行われている、地域協議会と地区社協の役割分担と共同の推進が必要。
・将来のビジョンを明確に、高齢者や障がい者の方も参加できる地域づくりを進める。
・学生とのつながりをつくる。地域の学生は地域の子として、見守り、参画できる場。
以上のような意見交換が行われ、具体的な地域の将来像を明らかにして、地域住民と専門職がそれぞれの役割を担いながら、より良い地域づくりを進めていきたいという決意を新たに、会を終了しました。
又、矢方会長の地域では、将来的には(5年後)NPO法人を立ち上げ、地域のニーズにあった助け合いの活動を展開させて行きたいと考えているようです。今後も県央の取り組みとリンクしていく場面があるかもしれません。今後の連携についても、会の中で話が出てきました。
今回の研修成果をバネに、毎月の意見交換会を発展させて、具体的な活動実践につなげていきたいと思います。
→アンケート結果はこちら
(報告の掲載が遅くなりましたことをお詫びいたします:県央ブッロク事務局)