
お疲れさまです。県央ブロックの日高国尊です。
第7回目の県央ブロック意見交換会が、11月15日(月)に行われました。
今回は、地域福祉関係の多くの研究をされている、大阪府立大学准教授の小野先生をスペシャルゲストとしてお迎え、これからの地域におけるソーシャルワークの展開について、ご講義と意見交換を行いました。
今回参加者を幅広く声かけをおこないましたので、20名の参加でした。
参加者として、包括の保健師の方、市役所福祉総務課、社会福祉協議会の方等、幅広い方のご参加がありました。当初の予定していた他職種の意見交換ができた事は、大変有意義でした。
【小野先生の講義内容】
岡村理論に基づく、社会福祉固有の視点について、具体的な事例を示しながら、ユーモアも交えて分かりやすく話して頂きました。
◎社会的援助について考える
・人と人のつながりが少なくなった
→家族・地域・社会~分断されて、セーフティーネット
が弱くなった。困った時に助けてくれる「人のつなが
り」が少なくなった。
・よく言われる「制度の谷間」
福祉制度の谷間に落ちている。
→そもそも社会福祉の概念では、ありえないことが
起きている現実。
・これも最近良く出てくる、新たな「公」とは?
公の意味
→お上(現代社会で言うと、政治であり、行政機関)
目指すべきは、新たな公共。それは、地域にあるつながり
で新しい仕組みを作る
・公共とは、ヨーロッパ地方で起こった活動。
最初はカフェで人々が集まり、(誰もがきていい場所)最初は世間話が多かったが、その内に社会の在り方や政治の話をするようになってきた。
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カフェから、議会への提言~市民が公共をつくる。
・現代は大衆社会
マスコミから流れる情報が、正しい情報であり、社会の考え方を作るようになってきた。市民も~される側に回って、社会に対する関心も受身的になった。
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今言われているのは、
市民が主体的に社会の仕組みを再構築する必要性。
これが新たな公共である。
◎社会福祉の固有の視点について考える。
・制度の谷間=福祉の谷間ではいけない。
・社会福祉固有の視点~領域を超える物の見方
・なぜ谷間に落ちるのか?
専門性が高まると業務の範囲が狭まってくる。自分の枠に入らない人は、支援しなくていいという流れ。これは、社会福祉ではない。
・社会福祉の固有の視点とは
①支援の幅を広げる。領域を超える。
その人を見るということ。
②問題を発見し、解決まで寄り添う支援を行う。
◎生活世界の視座
社会を2層で把握する。
・システム
→市場と政府(貨幣と権力によって関係が効率的に進む)
・生活世界→話し合う場 家族、地域等
(コミュニケーションによって物事の合意をつくる。)
・生活世界とシステムは交換関係にある。
現代社会では、システムが非常に発達している。=便利な生活
一人で誰とも話さなくても、食料や日用品が手に入る時代。
この交換関係によって、ものやサービスに対するニーズが
満たされる。
しかしこの交換が進めば進むほど(豊かにはなるが)生活世界でのやり取り、コミュニケーションが乏しくなる。
食べ物が欲しいという欲求を満たす為に、コンビニで弁当を買いに行く。当然、お金がなければ、弁当を買うことはできない。人が生きていく上では、社会とのつながりが必要である。この条件をなくすと、社会システムが崩れる。
例えば、あなたはコンビニの店長で、友人がお金を持たずに、お腹をすかしている。店のお弁当を友人にあげることが出来るか?その後その友人の紹介で、同じような境遇の人が来たら、弁当をあげるのか?そんな事をしていたら、コンビニはつぶれて、店長であるあなたが生きていけなくなる。
しかし、お金が無い人や、お弁当を買う行為自体ができない人、一人で食べられない人はどうなるのか?システムだけでは、生きていくことが困難な人々がいる。
今ではいつの間にか介護や医療が、社会制度(システム)の中に入っており、システムに乗る人を優先的に支援するという流れがある現実もある。
↓
したがって生活世界の思いを実現するような働きかけの必要性がある。(援助実践)その人がなぜ生活しづらい状況になるのか。その背景を見つめ、社会に働きかける役割が求められている。今のシステムと生活世界のバランスが必要である。
【現状を踏まえた上での意見交換】※小野先生と参加者全員で
・今までどうしても制度(システム)で、利用者を見てしまう。今回の研修で、もう一度、原点に返る機会になった。
・家族や地域住民とのつながりが少なく、支援が期待できない為に生活保護申請したケースがあった。
・介護保険利用までは行かないが、何らかの支援が必要な方。近所の人の支援があり、何とか生活を維持できているケースがあった。
・自分たち専門職も地域に帰れば、一住民である。住民としての視点を持つことが必要である。
・DV等の複雑な問題。当事者本人が相談に行く余裕、思考があるのか?もっと身近に相談窓口をつくれないか。
・動きたくても動けない人もいる。困っている人に届くアプロー
チを。
・より早い支援体制を構築するには、地域の中でのコミュニケーションを進めていく 必要がある。お互い様の「おせっかい活動」を広げていければ。
・それぞれの職場での悩みが「孤立」している。この状況をどうシステム化していくか。個別で頑張っている人を支える仕組みが必要。燃え尽きないように。個人ではやれる限界があるし、長続きしない。
・システムが便利だから、それに乗っかって利用する。コミュニケーションが無くて も生活できる。しかし、システムが使えなくて孤立している人もいる。
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利用者主体の生活世界を作っていく必要がある。その為にも今回の意見交換の場のようないろんな人とのコミュニケーションをとる機会をつくることが重要である。
以上のような内容で活発な意見交換もされて、とても有意義な時間でした。今の置かれている社会を見つめ、生活課題を抱える利用者に対して、社会福祉固有の視点から、人を見て、社会を見て、何が不足し、必要かを見極めて、総合的な支援を行っていくという、ソーシャルワークの原点を改めて見つめなおすことが出来た時間でした。参加者の方々の顔の表情が、先生の話を聞いて、生き生きとしてきたのが印象的でした。
又、終了後の懇親会では、7名の参加と先生で焼肉を囲みながら、熱いトークを展開し、これからの夢や、向かうべき方向性をそれぞれが意見を出し合い、更に突っ込んだ話が出来ました。最後に先生が、「今後も何かあればお手伝いさせて下さい。」とおっしゃって頂き、大変心強く感じました。意見交換会を7回続けてきた意味が少しずつ形として見えてきたように感じられます。
12月の意見交換会もミニ講座と意見交換で、更に内容を深めていきたいと考えております。又、参加者の広がりも見られてきましたので、多くの関係者に参加していただけるように、呼びかけを広げていきたいと思います。
この会は、自由な意見交換の場です。気楽な気持ちでお越し下さい。今後ともよろしくお願いします。