お疲れさまです。県央ブロックの日高国尊です。
第6回目の県央ブロック意見交換会が、10月15日(金)に行われました。
今回は、参加者8名でした。
先月に引き続き、ミニ講座を開催しました。
今回は、田部さんより以前勤務されていた、大阪堺市でのNPO法人ソーシャルさかいでの実践報告を頂きました。田部さんは、精神保健福祉士の資格も持っており、地域の精神障がいの方々の支援を行ってこられました。現在は、児湯方面で相談支援活動を行っております。
まずは、資料に基づき堺市における精神保健福祉の状況を説明頂きました。
堺市は人口H22年8月現在で、838,954名おり、その中で200床を越える精神科の病院が4箇所、精神の障害者生活支援センターが5箇所あります。内4箇所が退院促進事業を委託を受けて、ケアマネが支援を行っている。
◎NPO法人ソーシャルハウスさかいでの活動
・定款 第3条(目的)
この法人は、「精神障害者」が、地域で自ら望む生活をおくる、というノーマライゼーションの理念を、身近な地域社会において実現する為の事業を行うことにより、差別のない、個々人が違いを認め合い、お互いに支えあう豊かな地域社会をつくりだすことを目的とする。
・平成元年より活動。家族会を中心に地域のネットワーク活動として、作業所を創設。運動会や講演会などを行ってきた。当事者・家族を中心にNPOを取得。理事は当事者・家族・スタッフ。地域生活支援とピアサポート、啓発活動を主軸に活動を展開。地域活動支援センターⅠ型・相談支援2箇所、ヘルパーステーション1箇所、グループホーム・ケアホーム1箇所
・ピアサポート事業では、出前はぁとという当事者が講師となり派遣する事業で、自分の事だけでなく仲間の声も代弁している。当事者だけでなく、仲間だから分かり合える関係。一般の人もその思いを聞くことで理解が深まることが出来る。市民に届くように、コンパクトに伝えやすくするコーディネートを職員が行う。講演は、青森から九州まで全国各地に行く。自分自身もきちんと勉強したり、視察して内容の充実を図っている。
・ニューウェーブは、当事者の活動を影で支える市民のボランティアグループで、市民の理解を広げる活動を行っている。
・ピアヘルパー事業は、当事者同士が支えあう仕組みで、同じ障害を持っているからこそ分かり合える支援が行われる。
◎さかいでの活動を通じて感じたこと
①ピアの価値の有効性
ピア(Peer)・・・『仲間』
同じ体験をした仲間だからこそ、共感できたり、支えたり、伝えたりすることが出来る。これからは、当事者が仲間の支えあいを基盤にした地域ケアシステムを構築することは明白。これを育て広げるのが専門職のケアシステムとつなぐことが重要。
②研究事業の有効性
・実践を振り返り、専門職の価値を捉えなおす。
・当事者とともに研究することの効果(ともに学びあうことの効果)
いろんな立場の意見を合わせることで多方面的なネットワークが構築される。
※宮崎での取り組みは、どちらかというと要求型が多い。不足しているものを補って欲しいというようなものが多い。
◎専門職としての今後の課題
①社会福祉固有の視点からの地域づくり
※岡村理論における社会福祉援助
「生活者(個人)の側から、社会関係の問題を取り除き、
回復させる。」
→そのためには、「地域を知る。」ことが不可欠。
(その人の状態、暮らしぶり、近隣住民の状況など
など・・・)
→そして、社会制度への提言とともに、自分たちの
主体的な活動も重要!!
「無いものねだり」ではなく、「今あるものの可能性
を探る」
※自分の暮らしの中の問題意識こそ、社会福祉の出発点
となるのではないか?
※当事者から学ぶ専門性の構築(ピア活動の推進と、
専門家のスキルアップ)
②社会福祉固有の効果測定の尺度づくり
量的な評価から質的な評価へ
③ピアを活かした活動
ピアヘルパー:当事者が講習を受けて活動する。本人+家族
※家族が本人以外の障がいを持った方の支援をすることで、
病気を正しく理解する事ができる。
④研究による問い直し
今回はフリートークのテーマは、ミニ講座を題材として、
「援助が必要な方に届く地域支援の在り方」という視点で意見交換を行いました。
・講義の途中にあったピアヘルパーの考え方について、宮崎ではあまり浸透していないが、精神障がいの領域だけでなく、子育て・認知症の介護などいろんな領域で活「用できないか?この利用が進んでいけば、障がいや病気の状態に対する市民の理解も深まっていくのではないか?
・ピア活動の中で、ピアヘルパーをしている人が、夜に眠れない時に、同じように夜眠れなくて不安を抱えている精神障がいの方を訪問し、一緒に過ごすという支援も合った。病気の状態を把握して、お互いに補い合う、支えあいのシステムである。
・障害者サポートセンターは、3障害の相談支援を行っているが、全市の対象としており、なかなか手が行き届かずに、積極的なアプローチは難しいと考える。
・障がいの方の支援として特に不足していると思われるのが、余暇支援事業である。本人の支援はもちろん、家族同士の交流までになかなかいっていない。
・先ほどあったピア活動については、その活動を支援する市民ボランティア組織もある。支え手ガいる事で、活動が広がり継続性が生まれる。
・特定健診のフォロー。健康診断で指導が必要な方々へのフォローが弱い。訪問指導してみると、精神障がいや中途障がいで、いわゆる「ゲレーゾーン」の方々が多い。そこに住む人々の生活課題に適切な支援を行わないと、根本的な解決につながらない。個人の健康だけでなく、「くらし」に目を向けたアプローチが必要ではないか?
・福祉の相談窓口が少ない。
それぞれの分野で相談事業を行っているが、よくよく個々のケースをみていくと、実はつながっている事が多い。それは暮らす場が地域であるから。今それぞれが行っている活動をつなげて、まとめていく必要がある。例えば、郵便配達の見守り活動等。地域住民にとっても、相談窓口は一つに絞った方が良いのではないか?
↓
(まとめとして)
制度はツールであり、これを重視しすぎると、住民個々のニーズが抜け落ちてしまう。
専門職も一住民としての視点を持ちながら、ソーシャルワークを展開させる。それが、生活者主体の新しい地域福祉の形とならないか?
もし制度で住民のニーズを救いきれない場合は、新たなサービスの構築を協働で 進めていく必要がある。
田部さんが今回提案された当事者同士のピア活動と、支援の質を評価できる活動を意見交換会の中で「勉強会」を立ち上げて、具体的に取り組んでいきたい方向性を話し合いました。
次回に来られる小野先生がきっと起爆剤になって下さると思います。この積み上げを糧として、12月4日の県央地区の「地域生活支援・ソーシャルワーク実践講座」の中身に反映させていきたいと考えております。
11月の第7回意見交換会も企画しております。次回は、地域福祉関係の多くの研究をされている、大阪府立大学准教授の小野先生をスペシャルゲストとしてお迎え、これからの地域におけるソーシャルワークの展開について、闊達な意見交換を交わしたいと考えております。講演会方式ではない、フラットな意見交換の場を準備します。みなさんどしどしご参加下さい!!
この会は、自由な意見交換の場です。気楽な気持ちでお越し下さい。今後ともよろしくお願いします。